yasuhide ono_ens

yasuhide ono

福岡

四児の父

世界放浪の際にアクセサリー制作の活動を開始

2013年福岡県宮若市に移住

2015年9月新月より福岡県宮若市にて うつしき というギャラリーを始動
文武両道、百姓2.0的な生き方の実践や日本の美意識や東洋的価値観を追求する

www.yasuhideono.com

yasuhide ono の小野君と初めて出会ったのは約10年ほど前の事で、お互いに作家として活動し始めて 1,2 年の頃だった様に思います。

彼はその時既に結婚していて、一人の男の子の父親でもあり、実年齢は私より 3 っつほど下なのですが、年上かな?と思わせる様な落ち着きを感じたのを憶えています。

それからずっと作り続けてきた小野君は、常に勉強し努力して、想い描く事を形にしてきた人だと私は思っています。

そんな事を言うと「ただ好きな事をしてきただけです」と彼は言うと思うけれど、私はそんな彼の熱い情熱や、毎日こつこつと積み重ねてきたその姿勢、私とはまた違ったその性質にとても興味惹かれるし、尊敬の念を抱いているのです。

アクセサリー作家として始まり、九州福岡に「うつしき」というギャラリーを作り、年月を重ねる中で彼の表現の幅は広がっています。もはやアクセサリー作家という枠を飛び越えて、様々な表現で発信している小野君の背景を文章で伝える事ができればという想いで綴っています。

exhibition「共生」取材より 2021年3月

yasuhide ono_ens_アクセサリーとの出会い

アクセサリーとの出会い

専門学校では、スタイリストになる勉強をしていた小野君。

卒業後、スタイリストアシスタントの仕事をする中で、さまざまな疑問にぶつかり辞める事を決断した彼は、とにかく出来る事から始めてみようと一人オーストラリアの地へ向かいます。

そこで興味惹かれるままに旅をし、さまざまな出会いや体験をしたそうです。

その地で出会ったフランス人の友人が母国に帰国する際に、何か記念になる物をと現地のファーマーズマーケットで購入したミサンガ。この出会いが、アクセサリー制作のきっかけとなったそうです。

その時の感覚をこんな風に語ってくれました。

「出会いや、思い出を共有できるアクセサリーを凄い!!と心から思った。」

今もその時に出会いきっかけをくれたミサンガを、大切に足首に付けている小野君。それはミサンガというより、まるで彼の一部になっている様に感じました。

yasuhide ono_ens_身につける地球

身につける地球

 

 

長きにわたりアクセサリー制作を続けている小野君に、改めてアクセサリー制作は自分にとってどんな存在なのか尋ねてみました。

「ご飯を食べるのと一緒。空気を吸うのと一緒。仕事という感じでもなく、自分にとって一番フラットな状態でいられる。」と答えてくれました。

彼にとってアクセサリー制作は、生きている事そのものである事が分かります。

そんな yasuhide ono のアクセサリーには鉱物が使われる事が多いのですが、直感的に惹かれたという「石」の魅力についても話てくれました。

まず話題に出てきたのは、黒曜石という石でした。

幼少期から多くの時間を過ごした地元北海道で、幼い頃から親しんできた黒曜石の存在もまた潜在的に石に惹かれる要因としてあるようです。

黒曜石は、縄文時代から弓矢で使われる鏃やナイフ、槍や斧に変わる石器道具として親しまれ、人間の生活の中でとても密接な存在の石です。

いろいろな話を聞く中で、小野君が制作に際して大切にしている、日々の生活から受け取る美意識に通ずる事が感じられます。

そして鉱物のアクセサリーについて、「身につける地球」と素敵な言葉で表現してくれました。

 

そんな言葉を聞いてから手に取るアクセサリー達には、静かに長い年月をかけ形作られる石の声が聴こえてくるようでした。

一つとして同じ表情のない鉱石に触れていると、まだ見ぬどこか、私達が生きるこの世界を感じる事ができます。

yasuhide ono_ens_学びの人

学びの人

久しぶりに訪れた小野家には、部屋の一角に本棚がずらりと並んでいました。この一年余りで何が起きた??と思うほど沢山の本があるのです。

もともと子供の頃から好きだったという本の存在。今最も夢中になっている事が、その本を読む事だと教えてくれました。

 

「なぜ、人は美しいと思うのだろう?」という事が知りたくて始まった美学の追求。そこから派生する様々な事に小野君の興味は広がりをもちました。

 

「人はなぜ生きているのだろう?」

「身体は誰もが持つ一つの資産だけれど、身体について何も知らない。」

「人の心理が知りたい。」

「今一番、人類学が興味深い。」

まるで子供の様に夢中で話してくれました。

 

小野君をこんなにも本と向き合わせた大きな要因は何なのか、とても短い期間で急激に急速に学びを始めたのはどうしてか尋ねてみました。

そして小野君の口から出てきたのは、

「田代の死が一番のきっかけになった」という言葉。

田代ちゃんは、うつしきを始める当初、一番最初からお店作りに参加し、小野君や奥さんの佳王理ちゃん、二人の子供達と一緒に暮らし、スタッフというよりもはや彼らにとって家族同然の存在でした。

そして、私にとっても、たくさんの関わる人達にとっても、とても残念な出来事で田代ちゃんを好きな人が沢山いる本当に素晴らしい人だったのです。

 

「人はいつか死ぬからこそ、生きている今、全ての分野に興味を失わず、好奇心のままに生きたい。全ての人や物事を簡単に決めつけない。決め切らない事を大切にしたい。」

 

うつしきを始めた事、それに伴いスタッフという仲間が増えた事、関わる作家さんが増えた事、家族が増え子供達との時間を持った事、大切な人の死に直面した事、そんなたくさんの経験が小野君をより強く、本と向き合わせたのかもしれません。

「一緒に働く仲間がどうしたら心地よく居られるか?」

「どうしたら関わる人の力を最大限引き出せるか?皆で高め合えれるか?」

生きている中で直面する様々な問題や疑問に、いつも真っ直ぐに向き合い学びを続ける小野君。

 

彼は「本を作りたい。」と、とても真面目に伝えてくれました。

どんな本を書くのか、どんな表現になるのか、今はまだ分からないけれど、これからさらに学びを深めていつか出来上がる小野君の本を、私も今から楽しみにしているのです。

yasuhide ono_ens_美しさとは

美しさとは

 

 

小野君にとっての美しさとは何か、尋ねてみました。

するとこんな言葉が返ってきました。

「生き様で見せる美しさ」

「背中で見せる美しさ」

なんとも小野君らしい表現だなと感じます。

 

生きていると、目を背けたい事、逃げ出したい事に何度かぶつかる事があると思うのです。

そんな時に決して自分から逃げない。

自分の内なる心から、決して逃げない。

悲しみや闇すら受けきって、そこにきちんと向き合う事。そこから始まる事が必ずあると、彼は信じているのです。

 

私は小野君の物作りや、場作り、様々な表現のそばには、必ず人という存在を強く感じるのです。

「人が好きなんです。」と今まで何度か彼の口から聞いてきたのですが、そばに居る家族をはじめ、うつしきを共に作る仲間や作家達、アクセサリーを身につけるお客様の存在、彼が関わる全ての人の存在が、彼にとってのとてもリアルな世界であり、それこそが彼の生き様を作り、表現を作り、小野泰秀という人間を作っている様に感じるのです。

「日常こそがその人の生き様」と語ってくれた小野君。小野君の真っ直ぐな言葉に、彼の物作りに、彼の生きる世界に、私は光や美しさを見た様に思うのです。

exhibition「共生」取材より 2021年3月

yasuhide ono_ens

photo | Ayaka Onishi

今展示『共生』では、

土地や日々の生活の中から受け取るエネルギーと、共生する事で出来上がるyasihide ono の世界、また川井有紗との共作作品も並び、ens でしか見れない作品群、世界を感じて頂けると思います。

彼のアクセサリーという枠に囚われない様々な表現をこれからも楽しみに、同じ時代を生きる事を存分に楽しみ、表現を発信していきたいと思います。

共 生

2021. 05. 01 sat  -  05. 09 sun

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